ビル・病院・学校・マンションなど様々な建物の改修工事に伴う、コア・アンカー施工時に、床や壁に埋設された電線管・電話回線・水道管・ガス管などの配管を切断してしまう事故を防ぐため、X線透過撮影や、鉄筋探査によるコンクリート内部探査が効果的です。
レーダー探査(鉄筋探査)の特徴
電磁誘導法
(弊社所有機種→HILTI PS300、プロセク プロフォスコープ等)
電磁誘導法は、コイルに交流電流を流すことによってできる磁界内に、試験対象物を配置する事によって試験を行います。
軟鋼材である鉄筋は電磁誘導試験が可能であり、この試験方法をコンクリート構造物で使用すると鉄筋位置やかぶり測定がし易くなります。
●特徴
鉄筋位置とかぶりの測定が同時にでき、コンクリート表面の湿潤状態や品質等による影響を受けにくいため、電磁波レーダ法と比較して高い精度の測定を行うことができます。
電磁誘導法は、かぶりが比較的浅い場所では非常に有効で、浅ければ浅いほうが分解能も良く、確実な探査および測定がし易くなります。
※機械的解析に基づく探査のため、状況によってではありますが、埋設物を目視できるレントゲン探査の方が精度が高いです。
電磁波レーダ法
(弊社所有機種→GSSストラクチャースキャンSIR-EZLT、HILTI PS1000等)
電磁波をアンテナからコンクリート表面に向けて放射すると、その電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質(鉄筋や空洞等)との境界面で反射され、再びコンクリート表面に出て受信アンテナに受信されます。この送信から受信に到るまでの時間から、反射物体までの距離を知ることができます。
平面的な位置は、距離計を内蔵した装置を移動させることにより、位置情報を得ることができます。
ただしコンクリートの密度等により、電配管・CD管等が確認できない場合もあります。
●特徴
電磁波レーダ法は、コンクリートの湿潤状態や品質等に影響を受けやすいが、比誘電率を校正することで鉄筋かぶり厚の精度を高めることができます。
電磁誘導法より精度面は落ちますが、かぶりが厚い場合には有効な手段です。
※機械的解析に基づく探査のため、状況によってではありますが、埋設物を目視できるレントゲン探査の方が精度が高いです。
レーダー探査(鉄筋探査)の概要と用途
レーダー探査(鉄筋探査)とは、構造物内部の埋設物(主に鉄筋、電気配線管等)の位置を非破壊で特定することのできる探査です。
代表的な用途として、
- 施工管理状態の品質を確認するためのコンクリート構造物の配筋状況・かぶり厚の調査
- 改修工事・耐震診断等の鉄筋位置の調査
- あと施工アンカー工事の鉄筋位置の調査
レーダー探査(鉄筋探査)の原理
探査機が送信アンテナから躯体に向けてインパルス状の電磁波を放射すると、躯体と電気的な性質が異なる物質(鉄筋・電気配線管・空洞等)との境界面で反射され、探査機の受信アンテナで受信されます。この時、送信から受信までにかかる時間から埋設物までの距離(かぶり厚)を算出することができます。
レーダー探査機の仕様
探査可能対象物 | 鉄筋(複層可能)・樹脂管・PC鋼線・空洞 |
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最大探査深度 | 300mm(埋設物間隔、サイズ、種類、母材の状況による) |
鉄筋位置探査精度 | ±10mm |
かぶり厚さ測定精度 | ±5mm(かぶり厚さ50~200mm) |
探査距離測定精度 | ±5mm以下(移動距離500mm以内) |
最小埋設物間ピッチ |
水平方向・鉛直方向(複層)各40mm (複層表示には水平方向離れが130mm以上必要) |